フレット付きバイオリンの利点

フレット付きバイオリンの利点

「バイオリンは幼い頃から始めないと弾けない、難しい楽器だ!」そんなフレーズを多くの方が耳にしたことがあるかと思います。それはバイオリン奏者のほとんどが絶対音感(注1)を頼りに、フレットのない指板を使って演奏をするからです。「指を正確に押さえる」ための訓練をバイオリニストは生涯を通じて行います。

注1)絶対音感:ある音を単独に聞いたときに、その音の高さを記憶に基づいて絶対的に認識 する能力。音楽家はその能力を持つ人も多いが、一般の多くの人は持たない能力。

一方で一般の人がいきなりバイオリンを演奏するのは、自動車教習所にも通わず、目を瞑ってドライブするくらい難しく無謀なことなのです。しかしこれはいわゆる普通のバイオリンの話です。

そこで、バイオリン学習の初期段階の挫折をできるだけ取り除くために考えられたのが、この「フレット付きのバイオリン」です。

指板(黒く細長い部分。上記「フレットバイオリン解体図」を参照)にはめ込まれた金属の線のようなものを「フレット」と呼びます。バイオリン等の弦楽器は指で弦を押さえることで、振動する弦の長さを変えて音程を変えます。この、指で弦を正確に押さえることが非常に難しいのですが、フレットで音程を区切ることで、簡単に正しい音程を演奏することができるのです。

実際、コード(和音)を演奏することが求められるギターなどは正確な音程を取りやすくするためにフレットが付いていることが一般的です。その他にもマンドリン、エレキベース、バンジョーなどにもフレットが付いています。

そのため、今までギターなどに触れたことのある方は、このフレット付きバイオリンはとても取っ付きやすいでしょう。また、そういった楽器に触れたことのない方でも、どこの部分を押さえればこの音が鳴るというのが、目で見て分かるため、ひとりでも練習しやすく、15分程度もあれば、カエルの合唱やキラキラ星を弾くことができるのです。

指導者の育成も比較的簡単にできるため、学校教育の中に取り入れたり、ハンディキャップのある方やご高齢の方のリハビリや生き甲斐作りなど、幅広い活躍が期待される楽器なのです。